非常用？勉強用？ 不思議な塩水LEDランタン

節電に大きな効果のるＬＥＤ。普段の家庭照明にはもちろんですが、災害時の非常照明としても役立ちます。いまや、LEDを使った懐中電灯やランタンは、防災器具の定番といえます。

LEDライトのほとんどは乾電池を電源としています。乾電池には、使用期限があって、たいていは、3年から10年程度です。災害は、いつ起こるか分かりません。３年程度の寿命では、イザ! というときに、使用期限が切れていて使えないことも考えらそうです。

この問題を解決する手段として、一緒に普及しているものがあります。手回し発電機を内蔵したLED照明器具やラジオですね。価格が安くて、何かの景品でもらえることもあります。どこの家庭にも一つくらいはあるでしょう。


ほかに、意外と知られてない手段として、水を入れると使える電池があります。

日本協能電子の「水電池NOPOPO」がちょっと有名です。水を入れない状態であれば、なんと、２０年も保存できます。２０年もあれば、電池の交換のことは考えなくて良いですね。乾電池を、３年ごとに買い換えることを思えば間違いなく経済的です。




今回紹介するグリーンハウスのLEDランタン「GH-LED10WBW」は、さらに変り種。水電池に似た手段を取っているんですが、違いが２つあります。

　１つ目　真水でなく塩水を使う
　２つ目　器具内に発電機構を内蔵している


つまり、本体に塩水を入れるだけで、LEDランタンが使えるということです。

ランタン本体はけっこう大きい。サイズは210×113×228mm(幅×奥行き×高さ)もあり、重さも乾燥状態で約680gあります。手のひらに載るようなサイズではありません。据え置きサイズですね。大きめなので、持ち歩くときのために、本体の裏は、スライド式の取っ手がついています。

内蔵されたLEDは10個。かなりの明るさが期待できます。



水と塩で発電するランタン　GH－LED10WBW　ホワイト


付属品は、ランタン本体、給水パック、USBケーブル、紙1枚裏表の取扱説明書の4つです。使うときには、このほかに塩水を必要とします。

塩水は、海水でも良いと書かれていますが、沿岸に住んでいない人には海水の入手は困難です。食卓塩と水道水で作ることになります。必要とされる塩水濃度、3～5%で指定されています。

「　そんな都合よく作れないだろう？　」

そこで給水パックが役立ちます。給水パックに塩16gを入れ、水を350ccを入れて作るようになっているんです。パックに塩を入れにくいという人がいるかもしれませんが、取扱説明書には目安も書いてあります。

「　塩16gの目安は、大スプーン1杯、またはペットボトルのキャップ2杯分　」

袋の内側が濡れて塩がくっついてしまう場合にも、良い目安です。


緊急用に使いたいランタンですが、便利なんだか不便なんだかわかりにくい製品です。


さて、このランタンは、化学的反応を利用しているんですが、ＬＥＤがいつまでも光っているわけではありません。マイナス(-)極のマグネシウムから、塩水へイオンが溶け出しきれば飽和してしまいます。その時間が約8時間。連続して使用する場合には、8時間ごとに塩水を交換することになります。8時間を超えると、「金属棒(電極)が溶けてタンク内に沈殿し、固まること」がありいます。

塩水を交換すれば、また発電が始まります。
古い水は、底部のゴムキャップを外して捨ててください。

こうして使っていくと、最終的にはマグネシウムの電極からイオンがなくなります。こちらの寿命は約120時間。毎晩8時間ずつ使ったとして、１５日ほどもつ計算ですね。もっと使いたければ、マグネシウムの電極を交換します。


長期の避難や停電を想定した場合、交換電極も欲しいですね。
別売ですが、交換用の電極があります。


水電池対応 GH-MGWR17



「非常用」っとして紹介してきましたが、塩水で明るくなる実用品というのは、他に見当たりません。
アウトドアで、子供の学習用として使うのも、良い方法かもしれませんね。

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